趙子昂について

代表作?蘭亭十三跋
趙子昂は宋末から元の人。
宋朝の末裔。江南の地から元の都大都まで旅した時に書かれたのがこの十三跋。
独孤淳朋と言う僧侶から譲り受けた定武蘭亭を船の上で毎日に眺めてはその折々に跋ぶさを書きました。これを蘭亭十三跋と言います。
十三跋は乾隆年間に大火に遭い現在のような少し焼け焦げた状態になってしまいました。
その後補修され 現在は我が国の国立博物館に収蔵されています。
肉筆で書かれたものと拓本にとられたもの。その違いを一緒に見る事ができる機会はなかなかありません。
今回 印刷屋さんにお願いして同じページさ納めていただきました。
是非二つを見比べてみてください。

趙子昂53才の作品です。

趙子昂の作品はどこか力が足りない!と言われますが、その生まれ育ち 周りの環境などを考えた時、常に静かで争わず黙って自分の意思を貫くのは感情をコントロールする力に長けていたのではないでしょうか?
彼に酷評を浴びせることで知られる董其昌でも彼が蘭亭を臨書すること数百本!これにはとても及ばない。と脱帽しています。
その惚れ込みようはもの凄いものがあったようです。

書いてみると
波もなく日がな一日のんびりと過ごしていたかのように見えますが、  実はその内に秘められた技術?平凡こそ最大の非凡?(こんな言葉があるかどうかはわかりませんが)

どんな状況にもたえられる精神力があったのではないでしょうか?

気負わずコツコツと飽きさせない力は
ドラマチックよりももっともっと大変なことだったと思います。

平凡な力には言葉以上に語りるものがありそうです。

コメント