東京都美術館地下三階
あまり行ったことが無い所です。
スケルトンのエレベーターを降りると
少々小じんまりしたお部屋に ”ガ~~~~” と、ド迫力の書が掛けられて有りました。
”何がどうではない”
”有無を言わせない”
圧倒されるような、光り輝く書!
その壁面がどんどん迫りくるような、、、
圧倒的な力で、射すくめられてしまいました。
村上三島先生の「秋日」
朱地に金銀泥だ竹梅文様の料紙に濃墨で書かれた五言律詩。
金田心象先生の「菩薩」
金地に薄墨
”古典の成因にのっとって技術も材具も自分の思うままにやった、、、制限一杯の大きさに、楽しく豪快に作り たかったからである”と、述べられている。
金地は書き難い。基本墨が乗らない。
そこでどうしても濃墨になる。
そこを敢えて薄い墨で書く。
墨が薄い事で筆のスピードが現れる。
力の入れ方が分かる。
ここで止まった!
ここで筆圧を変えた?
ここで身体の向きを変えた?
そろそろ墨が無くなってきた、、、
ハテどうしよう、、、?
など書き手の心の動きがとても良く分かる。
そもそも金地に薄い墨で挑戦する自信が凄い!
墨の色の変化が、徐々に変わる、、、、
でも墨がなくなってくるほど
心は躍り動きも軽く縦横無尽に。
でも、、、
太さは変わらない!これは凄いことです。
疲れの片りんもナイ!
菩薩さまの優しさ温かさの奥の強靭なお心が圧倒的な姿となって迫ってくる。
この二点を拝見しただけでドット疲れてしまった、、、
「彩られた現代の書」
「素敵な紙を使った作品よ、ご覧になったら?」
、、、との友のお誘いに軽い気持ちで来た私は足がすくんでしまった。
広津雲仙先生書 絹本墨書
尾上柴舟先生書 華麗な切り継ぎ
それぞれに 暈かし 綺羅 型押しと技巧をこらし、贅を尽くした美しい料紙。
(多分今では入手できない貴重品)
各時代の巨匠と呼ばれる先生方のゆるぎない作品の数々。
拝見する機会を得られた事、この上ない幸せと思いました。
今日も良き日でした。
(へとへとでした)
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