楽未央

新春特別展示「亥と一富士二鷹三茄子」を見に東京国立博物館へ
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<博物館のエントランスには巨大な生花(近頃宙師と呼ばれる大木の枝切り師の手に寄る大木の根を花器代わりに根引き松、苔むした梅が)生けられ、晴れやかな初春の雰囲気。 会場にはお正月ならではの御めでたいモチーフ の作品の数数。1,15 042.jpg---o.jpg                                
 いのししを頭につけた十二神将や岩藤萩野猪図屏風、一方吉祥紋の小袖、調度(源氏蒔絵など)、富士山や鷹の図の数々、中でも小さな色絵文房具の精巧で可憐で華やかな姿はいつまでも立ち止まっていたいほど。

 部屋から部屋へ移るたびに新しいシーンが目の前に広がり、ドキドキわくわく、、、私にとってはまるで素晴らしいレビューを見ているよう。

 その部屋に足を踏み入れました。

 ウ~~~~ん

 足が止まってしまいました。あながち疲れ?だけではないようです。

 実は今回一番の見もの

 長谷川等伯筆  国宝「松林図屏風」 一双

 連筆,竹筆を使い、墨の濃淡だけで、、、

 霧に包まれた松は、消えては現れ、現れては消え行く、、、

 風は雪を吹き上げ、木々を通り抜け、遠ざかり、、、近ずき、、、

 静けさと冷たさの中で厳かに気高く美しく正に典雅。どんな言葉でも言い表せないものがそこにありました。

 解説には「最高級の墨、超絶した技、緻密な計算によって描かれている」と。

 白と黒だけで描かれたストーリィに魂も盗られそうでした。

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 この国の文化の美しさ深さ、先人の卓抜した技、揺るがぬ精神に圧倒されつつ幸せを感じ、帰宅しました。

 そうそう一つ、

 屏風の魅力、、、それは立ち位置の妙、、、

 本来座る生活のわが国において、屏風を見るときは座って見た?のかそれとも立って見たのか?多分それは座っって見たのでしょう。でも、現在、立って見ても十分見応えがあり、正面から見ても、斜から見ても、また違った角度の面白さがある。(松林図の場合は松が大きく動いて見えます)また、いっそのこと全面を一枚に広げてもそれはそれとして面白いのです。畳んだり広げたり複雑で、、、単純で、、、、屏風そのものを考え付いた先人の頭の柔らかさに敬服しています。

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