早朝のお友達、ハトリさんが珍しい杖を付いていらっしゃいました。
「それは何ですか?」
「これ?これは藜よ」
「へェ~~~あの アカザ?」
そう、あの有名な漢詩、戴益作の「探春」に歌われている
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尽日春を尋ねて春を見ず
藜の杖をつき、幾重にもたたなわる雲を越えて歩きぬいた
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あの、、、藜の杖(アカザのつえ)
良寛さまも芭蕉も、、、歌っていられる藜の杖
ゆくあきの あはれをだれに かたらまし あかざこにれて かへるゆふぐれ(良寛)
やどりけむ あかざのつえに なるひまで(芭蕉)
その藜の杖を初めて見ました。言葉では知っていましたが、実物を見たことがなく、一度見たいと思っていました。それがこんなところでお目にかかれるとは、、、
「藜って珍しいですね、、、」
「そんなことないよ、ホレッ!そこにもはえているよ、、、」
指差す先に雑草のような草が
「エエッ!!!これ!?コレがそんなになるには、、、一体何十年かかるかしら?」
ざ~~と、年輪を数えたところ、6,70年はありました。
藜の杖は丈夫で軽いこと、握りがごつごつしていて手のひらを刺激し、血行をよくする事な
ど、杖として良い事ずくめで最高の杖と言われる所以です。
長年気になっていたアカザの杖をこんなところで目にする事が出来るとは思ってもいませんでした。
その節くれだってごつごつしている一方艶やかで滑らかな姿、、、充分魅力的です。
やはり早起きは三文の得?いいえ、ご縁があったハトリさんのお陰です。
杖は人を助け、人は杖に助けられる、、、ピッタリと手に収まっている姿はとても美しい絵
になっていました。
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