おたかべ

例年の書作展、今年は諸般の事情により開催が危ぶまれていました。

 先ず会場、地震の被害によりいつもの場所をお借りすることができない。
 東北の会員の方々の出品がない。などなど、、、

 図らずもキャンセルのところがあり、そちらをお借りすることができました。出品者の数はともかく、開催できることに感謝をして、、、

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 幸い好天にも恵まれご来場の方も多く、本当に開催できてよかったと思いました。

 春の書作展は小品を仕上げる、、、普段の臨書の世界からちょっと離れてもっと身近な作品に取り組むことになっています。

 漢字作品あり仮名作品も、扁額あり、軸装あり、茶掛けあり、縦書きあり、横の作品も、、、、と、多様なスタイルです。それぞれが心に思うことを形にしたものです。

 私の場合、「盤石」は何故か地震のだいぶ前から耳にこの言葉が聞えてきて、これを書く!と心に決めていました。でもその割には文字が定まらずちっともバンジャクではありませんでした。

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それと「閑」は表装にする裂地から文字を決め、墨の色もきめていたのに、裏打ちをすると布の色が濃くなることを忘れ、思ったよりも裂地の色が濃く出てしまい、文字の力不足がより目立つ作品になってしまいました、、、これも失敗!

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 今回被災された方々にメッセージをと思い、いろいろ言葉を探しました。

 曰く、、、勇気を!立ち上がれ!負けるな、古今東西の名句名言を調べ幾つかを書き始めました。でも書いているうちに、、、

 これって「嘘!」と、思いました。

 実際に被災されたたがの苦しみなど到底計り知れぬこと!

 私ごときが”きれいごと”を書いても良いものでしょうか?

 私には書けない、、、と、思いました。

 そんな時この言葉が目に止まりました。

 南島歌謡「オタカベ」おたかべとは「お崇べ」
 神に捧げる歌、南の島の雨乞いの歌

 リズム良しおん(音)良し

 す~~~と書けました。

 何処か傲慢になっていた私達、自然にたいする畏敬の念を忘れていたかもしれません。

 今、私にできることは、、、

 神に祈ること。謙虚になること。へりくだること。

 昔昔を振り返って自然の恩恵に感謝すること、、、などなど祈りを込めて筆を運びました。

 一つ嬉しいことがありました。

 作品をじィ~~~と見つめている方がありました。一通りご覧になって帰りにまたまた立ち止まり、また!?じィ~~~~と、ご覧になっていました。

 思い切ってお声を掛けました。

 「この作品は私が書きましたが何かミスでもありましたでしょうか?」

 「いやァ、、、好きなので、、、、
  つい、、、、大分お書きになられたのではないでしょうか?」
  
 「素晴らしいですね、、、」と。

 何処のどなたか全然面識のない方が足を止めて下さったのです。

 有り難いことです。

 とってもうれしく鼻の頭がぴくぴく~~~してしまいした。

 
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